居酒屋オーナーの呑兵衛ブログ

呑兵衛による開業などの実体験と笑い話

店に集う個性溢れる常連客②

居酒屋をやっていると本当に色々なお客さんと出会う。特に一人で来るような人は大体何かある。一人でゆっくり飲みたい人や寂しくて来る人。一番多いのは「話したくて来る人」だ。会話を楽しみに来てくれるのはありがたいことだが、そういった人は大概が変わっていて、なかには風変わりな『変人』がいる。そんな変人と思えるような人を何人か紹介したいと思います。

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オープンの準備をしてる頃に一度店を訪ねてきた人がいた。そして、オープンして間も無くしてから、その人は来店してくれた。ここぞとばかりにそのことを聞いてみた。
「よく覚えてるね~」
そんなような顔でこっちを見ていた気がする。この顔をさせるのが、接客業の一番の醍醐味だと思っている。ドヤ顔になった。それからは足しげく通ってくれるようになった。同年代ながら落ち着いた感じの静かな人だ。焼酎のボトルをチビチビ飲むこと以外は、何も言うことのないくらい人の良さそうな人だ(何回に分けて飲むんだよ~)。

 

ある日、
「もしかしたら、出世するかもしれない」
という話が出た。すんなり納得した。人当たりも良さそうだし、部下にも同僚にも好かれそうだから当然だと思った。そして数日後、見事に出世したと報告してくれた。こちらも嬉しくなり、お祝いに「馬刺し」をプレゼントした。驚いた顔をしながらもものすごく喜んでくれた。

 

そして、ボーナスが出た後にも来店してくれ、いつものように会話に色とりどりの花を咲かせていた。いつもよく話すお客さんには、冗談のようで本気に一本一万円する焼酎「魔王」を勧めている。

悪い稼ぎ方だ(笑)。

今日はボーナスが出たからか、なんと『魔王を入れる!』と言い出した。気分がよくなることでもあったのかな~。どうせこれもチビチビ、チビチビ飲むんだろうな~。自慢気に飲むんだろうな~。


と、こ、ろ、が!

『一緒に飲もう!』と言う。30分もしないうちに空となった。馬刺しが効いたなー。儲かったなー。この稼ぎ方だなー。次のカモはどこだー。
こういう時のために高いお酒を何本か買ってあるのだ。抽選でしか手に入らない地元のワイン、世界限定1万本の国産ウイスキー、安倍首相がオバマ大統領と飲んだ限定3千本のワイン...。どれもお客さんに売るとなると高過ぎて、誰も買う人は現れない。


ある日、仲間内で飲んでいると、友人の女性が離婚だなんだで色々あって落ち込んでいるという話になった。SNSでも出会いを求めるようになっていたことを危惧して、彼を紹介してみようという流れになった。飲み会帰りの夜遅くに家に押し掛けた。何を隠そう。彼の家は店の裏徒歩1分の所にあるのだ。残念ながらインターホンを押しても反応がない。仕方ないから帰ろうかと思っていたら、マンション入り口付近に人影が。なんと、ちょうど彼が帰ってきたのだ!すぐにみんなで店へと移り、早速紹介。小一時間くらい話すと、意気投合してもいないのに、盛り上がりもしていないのに、二人は彼の家へと消えていった。早送りのような展開スピードだと驚いたが、もうあとは知らん。いい大人なのだから勝手にやってくれ。ワンナイトだろうが、遊びだろうが、勢いだろうが、知ったこっちゃない。


翌日、彼女が店に顔を出してくれたので、当然昨日の話になった。
『昨日、ヤッちゃった!』
『付き合うことになった』
あーそうですかー。それはそれは。お好きにどうぞ。

 

尻軽カップル誕生!


というか、初めて会って数時間で裸になり、交際までいくとは末恐ろしい二人だ。案の定、すぐに彼女が転がりこみ、三ヶ月後には新しいマンションに引っ越して同棲を始めていた。案の定、ケンカが絶えないようで、しょっちゅう彼女がグチを言いに来るようになった。案の定、彼の本質はそんないい人ではなくて金遣いの荒い自己中人間だった。
案の定だ!宍戸錠だ!オダギリジョーだ!


お互い借金をして、色々な物を買い、外食をして、無鉄砲な生活をしているらしい。彼はめっきり店には来なくなった。なんとも薄情な人間だ。類は友を呼ぶという。なんだかんだで結局はお似合いなのかもしれない。こんな自己中で薄情な人間は、知らん!!SNSでしか近況が知れない人間なんて、知らん!!

 


たまに二人で店に来た時は、彼は彼女ではない店の女の子と話す。ご機嫌に。こっちに話し掛けてくることはほぼ無くなった。なぜだかは知らない。挨拶ですらまともにしない。目も合わせない。見向きもしない。なぜだか知りたくもない。
ただ、いちよ二人とも知人以上ではあるので毎回サービスしたり、野菜を貰った時はお裾分けしたり、ワガママを聞いてあげたりもした。店の駐車場を貸して花火にも付き合ってあげたりもした。


なのにだ!なーのーにーだ!

 

こっちが無愛想で死んだような目をしてるからって、その態度はないぞ!自律神経が崩壊していて毎回人見知りするからって、その態度はないぞ!時々、味見をしないで味が濃いのを出すからって、その態度はないぞ!焼鳥を頼まれた時にたまに面倒臭い顔するからって、その態度はないぞ!肺呼吸が出来なくてビックリするほど音痴だからって、その態度はないぞ!


こう見えてユーモアはあるし、センスもある。人一倍優しくて、気配りもできる。驚くほど達筆だし、女の子みたいな丸字だって書ける。運動神経抜群で、足だって速い。親孝行者だし、親不孝者でもある。
足りないのは、愛嬌と任侠だけだ。


ただ、それだけだ!だけのはずだ!

 

異性しか話さない人間は信用しない。気配りのできない無神経な人間は信用しない。何でもいいのに最低限のお礼すらできない人間は、もっと信用しない。

 

誰の店だと思ってんだー!!

 

結局は、自分中心な発想しかないんだろう。
そんな彼ともう酒を飲むことはないだろう。
地獄行きがお似合いのカップルなんだろう。
これから四苦八苦して生きていくのだろう。

 

ご祝儀持って葬式くらいは行ってやろうと思う。

 

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居酒屋を開業してみた⑨

開業ノウハウ伝授!

呑兵衛のサラリーマンが独立をして、夢の居酒屋経営に奔走する料理ド素人人間のドタバタ奮闘記

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初めて迎える年の瀬。営業すべきか休むべきか考えた結果、逆にここは思い切って働く決断をした。大晦日と元日だけ飲んだくれて、他がやってない2日から荒稼ぎをする算段だ。

 

結果は、閑古鳥のオーケストラを聞いて終わる飲み正月。明けまして乾杯。本年もよろしく乾杯。何がおめでたいのかWhy?なぜ来ないのかWhy?ワイワイしたくても誰もいないのはWhy?心はいつもホワイト?これからがんばれファイト!来年は、年末年始から年末年後まで休みます。イブとイゴも休みます。年末イブから年始イゴまで休みます。「誰か来るでしょう」という考えこそあやふやなものはない。「来ない」と思えば来る、「来るでしょ」と思えば来ない。なんの法則か忘れたが、そういう法則があるらしい。きっとこれは神様のイタズラかもしれない。神様はイタズラをする動物らしい。そんな神様を誰が崇めるのだ。そんなヤンチャな神様に頼む人の気が知れない。もうそれは神様ではない。ただの気まぐれヤローだ。お賽銭してまでお願いする価値もない。これからはお賽銭箱に向かってシャンパンファイトしよう。いっそのことドラゴンボールを集めた方が早い。神龍(シェンロン)は絶対叶えてくれる。もう店を閉めてドラゴンボールを探しに行こう。


新年早々愚痴が止まらない。
新年早々旅に出るつもりだ。
掴もうぜ!ドラゴンボール

 


なんだかんだで年を跨ぎ、新しい時代を迎えてもさざ波のように波風がたたないこの店に、突然、風雲急を告げることが起きた。


前の店の怠慢社長が現れた!事前連絡なんてするような人ではないと知ってはいたが、まさにビックリ仰天だった。してやったりの半笑いだった。ただ、前兆はあった。源泉徴収票を取りに、先月約1年振りに前の店を訪ね、そのまま飲んでいったのが、社長がここに来る要因になったことは間違いない。ゲームはしても仕事はしない怠慢社長。それでも必ずお礼をする律儀な人なのだ。しかも、1㌧未満の体型ながら下戸である。即、救急車くらい下戸である。それでも、酒好きと知ってるので奢ってもくれた。一緒に働いている時からお金を出してくれる金遣いの荒い怠慢社長。ごく稀にご飯を食べに行っても奢ってくれ、店の忘年会では無関係な人まで呼んで奢っていた怠慢社長。ゲームの課金にウン十万円使う怠慢社長。通販でいらないセンスのないものを買い込む怠慢社長。決して約束の時間に来ない怠慢社長。

 

もちろん遠慮なく飲んだ。ボトルも空けた。飲み過ぎて働く気が無くなった。だから、さらに飲んだ。人の金で飲み酒もいい。金の味がする酒もいい。それも生きるためだ。飲むためだ。なんだか金を飲んでる気がしてきた。Oh my God!

 

それから休みの日はたまに前の店に行っている。じゃんじゃん食べ物を出してくれ、会計も安くしてくれ、いつもサービス&サービスでごちそう様です!


初めて「飛ぶ鳥跡を濁さず」をクリアした職場となった。低空飛行のまま、今も浪漫飛行に飛び立てていないけれども、非行には走っていない。それもこれも全部、仕事をしない怠慢社長のおかげである。決して悪口ではない。神に誓って悪口ではない。もちろん神様を信じている。五円で願いを叶えてくれるリーズナブルな神様を信じている。たまに願い事を叶えてくれる神様を信じている。いつも願い事は、決まって『Oh my God!』

 

次は神様とやらと酒を酌み交わしたい。

 

 

今回のおさらい
●年末年始は飲み正月が一番
●神様はイタズラ好き
ドラゴンボールを集めるのも一つの手
●飛ぶ鳥跡を濁さずで酒が飲める
●たった五円で願い事とは気が引ける
●これでも神話が好きである

 

 

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居酒屋を開業してみた⑧

開業ノウハウ伝授!

呑兵衛のサラリーマンが独立をして、夢の居酒屋経営に奔走する料理ド素人人間のドタバタ奮闘記

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ただこのままキャバ嬢を演じながら手をこまねいて見ているだけでは父さんに倒産と言わなければならなくなる。そこで考えを変えて、当面は経営状況の改善を最優先にすることにした。店は午後5時からの開店なので昼間までは空いている。


とりあえず『バイトをしよう!』と探し始め、仕込みの時間も考えて早朝の時間帯に的を絞った。ただ、他の可能性を信じて、測量士の仕事と建築現場の監督をして月収80万円という常連客に聞いてみた。最初は胡散臭いエロ親父という印象だったが、話してみると意外と馬が合った。
ホースごいねー!
毎月飲みにも連れて行ってくれ、一緒にバーベキューもするほど仲を深めた。
ホースごいねー!


最初は測量の手伝いと聞いて乗り気になったが、話を聞いているうちにいつの間にか建築現場の手伝いへと変わっていた。再三、「体力はない」「重いものは持てない」と言っていたにも関わらずだ。それでもせっかく紹介してくれたので、心を入れ替えて挑戦することにした。作業着や長靴なども買って形から入った(トータル3万円也)。


実際に働いてみると、重いものは持たされるし、体力はいるし、従業員は愛想悪いし、と予想通り相性が悪かった。しかも、仕事が終わって店に到着したのは午後6時である。12時間も働かせられて、オープンに間に合わないという始末に、気持ちは一気に低空飛行。米米CLUB浪漫飛行。このままでは非行に向かってテイクオフ。


その日にまた飲みに来てくれたので、そこで意思をはっきり伝えなければいけないと思ったが、また「重い病気になりたい病」が発症した。どんな病気になったかは分からないが、それが言えていたら安定のサラリーマン生活を続けている。上司とも上手くいっている。結局、選んだ答えは、まともではない人間の最悪の選択肢「バックレ」。それからそのお客さんは、もちろん来ていない。
毎回、キャバクラより高い金を払っていく「My ATM」という名の財布を失った。


A あんなに
T たんまり使えた
M マネーはない


だが、こうやってすぐに笑い話にしてしまうという美的センスだけは失わなかった。

 

 

その後、早朝のバイトを始め、こんな「豆腐メンタル」でもなんとか続けられている。

 

 

 

今回のおさらい
●父さんに倒産と言いたくない
●形から入ると大損する可能性アリ
米米CLUB浪漫飛行はイイ曲
●My ATMという名の財布はお大事に
●馬が合うなんてホースごいねー!
●美的センスだけは失わないように

 

 

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竹内結子さんを振り返る

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居酒屋を開業してみた⑦


開業ノウハウ伝授!
呑兵衛のサラリーマンが独立をして、夢の居酒屋経営に奔走する料理ド素人人間のドタバタ奮闘記
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決して順風満帆とは言えない経営状況でも、軌道に乗せることや美味への追求を考えて、自分の店だけで働きながら試行錯誤を繰り返してきた。

 


一度、ランチをやってみようと考えたことがあった。だが、ロスは増えるし、光熱費は上がるというリスクを考えて思いとどまった。試行錯誤の末、『ブランチ』というやり方にたどり着いた。昼間から飲みたい馬鹿野郎をターゲットに12時からオープンし、ワンコインでアルコールにつまみが付くセットメニューを目玉にしてシフトチェンジを試みた。昼御飯を食べたい人にも対応できるようにご飯も大量に炊いてスタンバイした。ゴルフ帰りの人なんかにも打ってつけの、まさに名案だった。

 

そして迎えた当日、トータル10時間の営業をしてみた。お客さんの感触を確かめたかった。何かを掴めると思った。しかし、その日は夜の1組しか来なかったので、自暴自棄モードに突入し、その日1日でやめてやった。もう少し感触があると思った。もう少し何かあると思った。


すぐ業務用炊飯器を売り飛ばしてやった。
炊いたご飯は残らず食べ尽くしてやった。
ポスターは乱雑に剥がして捨ててやった。
Twitterに変顔のスタンプを押してやった。
宣伝はすべて無かったことにしてやった。
何が昼飲みだ!何がブランチだ!何がゴルフだ!3日も続く三日坊主がうらやましいよ!昼間から飲みたい馬鹿野郎は、ここにしかいない!こうなったら、明日も昼飲みだー!

バカヤロー!

 


冷静な時は、他にもメニューのシフトチェンジなどをしている。
いちよ16~18人の座席数はあるが、一日3組ないしは8人ほど来れば予算上はトントンくらいにはなる店だ。だいたいのお客さんは予算を上回ってくれるので実際は黒字になる。だから7、8人前後くらいでいいのだ。滅茶苦茶儲けたいとは思っていないし、せっかく自分の店なのだから気楽に楽しくやりたい。なのでここがボーダーライン


なぜそんな話をするかと言うと・・・。

年商が1000万円を超えると消費税を支払うことになる。それはそれで仕方のないことだが、1000万円を超えるくらいなら税金を払わない分、990万円の方が儲けは多いのである。このくらいの店の規模で人を雇わずにやるなら、このボーダーラインは重要なのである。

 

最近では、一緒に飲ましてくれるお客さんも増えたし、お客さんがお客さんを連れて来てくれることも増えてきている。そういうお客さんが来た時は、8人でなくとも『売り上げノルマ』は達成される。


それに看板メニューが2つしっかりあるのでサイドメニューは柔軟にチェンジすることができた。いわゆる遊べる部分であり、自分の店ならではの楽しめる所でもある。1ヵ月くらい出してみても売れない商品はすぐに止めて、試食して美味しかった手間の掛からない既製品や冷凍品をアレンジして新メニューに加えていった。こうして手間を省き、利益率の高いラインナップに近付けていった。


メニュー表は半年に一回のペースで替えている。そうすれば、“メニュー数が増えた?”とか“新しいメニュー追加した?”と錯覚し、お客さんは新鮮味を持ってくれる。趣味は、料理より「メニュー表作り」の方かもしれない。
ただ、創作意欲だけは衰えずに、お通しだけは毎回違うものを作った。
おかげでロスが少ないお通しの評価は高まった。
季節メニューもわりと四季を感じられる旬の食材を並べた。
おかげで客数は安定しなくとも客単価は上がった。


ただ、何よりも飲ましてもらうのが一番である。そういうお客さんを一人でも増やすことが有意義な居酒屋ライフを送れる最短の近道である。特に利益率の高いウイスキーなんかを何杯か飲ましてもらえれば、自然と嫌らしい顔つきにもなる。さらに小金持ちは、面倒になってボトルを入れてくれる時もある。本人は飲まない酒をだ。あとは、年に一、二回のメニュー変更時に少しずつ値段を上げていく。

 

もうこうなったらキャバクラみたいな稼ぎ方で稼ぐのだ。キャバクラ風居酒屋である。明日から店の名前を「居酒屋 キャバクラ」に変えよう!そうしよう!勝手に酒を注いで乾杯しよう!そうしよう!お客さんよりもたくさん飲もう!そうしよう!適当に相づちを打とう!そうしよう!お金を多く貰ってしまっても気にしないでおこう!そうしよう!
お触りは~、一度ま・で・よ(ハート)
携帯番号は、いち・いち・ぜろ(ハート)
もちろん明日も~待ってまーす(ハート)

 

ダメだ、愛想笑いができない。

 

 

今回のおさらい
●チャレンジすることを恐れるな
●昼飲みは自分だけにしとけ!
●年商は1千万円未満がボーダーライン
●看板メニューは3つを目指せ
●お通しが旨い店は旨いという認識がある
●儲けるためにはある程度手段は選べない
●キャバクラの稼ぎ方は勉強になる

 

 

 

ヤル気を出させてください。

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店に集う個性溢れる常連客①後編

 

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居酒屋をやっていると本当に色々なお客さんと出会う。特に一人で来るような人は大体何かある。一人でゆっくり飲みたい人や寂しくて来る人。一番多いのは「話したくて来る人」だ。会話を楽しみに来てくれるのはありがたいことだが、そういった人は大概が変わっていて、なかには風変わりな『変人』がいる。そんな変人と思えるような人を何人か紹介したいと思います。

 

 

 

また別の日に、もう一軒連れて行ってもらったのはライバル店ともいえる近所の居酒屋。親子でやっていて、他に娘くらい若いバイトの女の子が何人かいる。ここのマスターは、バツ2で子供が数人いるらしく、バイトの女の子に手を出して離婚したファンキーなマスターだ。エロジジイはここの女の子たちを「○○(自分の名前)ガールズ」と呼んで溺愛している。回らない寿司に連れて行って機嫌を取る本物のエロジジイだ。それでも淡白な態度しかとられない能天気なエロジジイ。ただの金づるでしかない銀行窓口なエロジジイ。それしか楽しみのない空虚なエロジジイ。


女の人しか興味ないと思っていたら、『お前だったらいい!』という謎の寵愛を受け、その後もよく店に顔を出してくれたり、飲みに連れていってもらった。

 


夏のある日、このエロジジイが「○○ガールズを呼んでバーベキューをやろう!」と言い出した。だから、肉と魚を用意してくれと。昼間からやるから店を休めと。何か作ってこいと。お小遣いくれたから面倒臭いけど仕方なく引き受けた。サーロインやカルビ、ジンギスカンなどの肉を買い、業者からホタテや海老、牡蠣などを取り寄せた。あとは、ポテサラなどさっぱりしたものを作って持参した。現地に着くとエロジジイの同僚も数人来ていた。だが、○○ガールズを含めて誰も知らない人たちの集いに自律神経が崩壊しかけた。ガンガン酒を飲んで、いい肉だけを食べて早く帰ろうと思った。昼間から夕方まで隅で細々と飲んで帰宅した。知らない人と飲んで何が楽しいんだ!そんな簡単に心を開くと思うなよ!段階が必要なんだよ!人が苦手なのに飲食業やってるんだよ!店に来たら少しは話してやってもいいぞ!まいどありー!
次回は嘘をついて欠席しよう。

 


ある日、慢性的な金欠病を打破すべくバイトを始めようと決意した。そこで、ふとある思いが頭をよぎった。「あのエロジジイなら、なんかいい仕事を知っているかもしれない」と。早速、店に来てくれた時に聞いてみた。
『俺の助手として働け!』
エロジジイは月に80万円くらい稼いでいるのだから、バイトとはいえなかなか稼げるかもしれない。すぐにお願いした。パソコンでやる測量士の仕事を少し見せて貰ったことがあるのでイメージした。これならイケる!前からパソコンを使ってする仕事がしたかった。得意分野だ!
浅はかだった。
建築現場に放り出され、アルコールでしか栄養を摂っていない身体で朝から晩まで肉体労働をさせられた。そのあと自分の店も営業をして、心身ともに疲労困憊、満身創痍だった。話が違うじゃねーかーハゲーー!何が助手だー!自分は違う現場に行ってるじゃねーかー!そもそも誰からも好かれてねーじゃねーかー!金をばらまいてご機嫌取りをしているだけじゃねーかー!会社の社長のご機嫌取っただけじゃねーかー!騙しやがってー!このハゲー!!
次の日にバックレた。

 

そして、ハゲの記憶を消した。ツルピカに。
常連客がまた減った。接客業は向いてない。
ビール樽を飲みまくった。カラッポにした。
また支払いが滞った。客とバイトが欲しい。
明日は明日の風が吹く。明日の客はどなた?

 

店に集う個性溢れる常連客①前編


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居酒屋をやっていると本当に色々なお客さんと出会う。特に一人で来るような人は大体何かある。一人でゆっくり飲みたい人や寂しくて来る人。一番多いのは「話したくて来る人」だ。会話を楽しみに来てくれるのはありがたいことだが、そういった人は大概が変わっていて、なかには風変わりな『変人』がいる。そんな変人と思えるような人を何人か紹介したいと思います。

 


ある常連女性の飲み友達ということで来店したオジサン。よく見ると前に若い女性と来たことがあるエロジジイだ!その時の印象が良くなかったのかお互いに警戒心でバチバチだった。だがその後、エロジジイは最初に一緒に来た女性のことが気に入らないということを聞いた。たしかに携帯はずっといじっているし、目の上の人に対して気が利かないし、最後は眠いと言って帰るという始末。よく今まで誰にも注意されてこなかったのかが不思議である。端から見ていても説教したいくらいだ。若いと言っても30後半らしい。なおさら説教だ。前に同じことで後輩に説教したら難しい顔をしていたのを思い出した。何気に言うタイプである。エロジジイと話が合った。一回り以上離れたエロジジイと馬が合った。仲良くなったかもしれない。

 

 

それからは、このエロジジイも一人で来てくれるようになった。その日以来、話しやすくなったので飲みながらよく話した。測量士ともう一つ仕事をしているみたいで、たんまり稼いでいる。じゃんじゃんバリバリ飲ましてもらった。勝手に飲んだ。勝手に食べた。自分で作ってたんまり食べた。
さらに仲良くなったかもしれない。

 


店の休みの日には飲みにも連れて行ってくれ、同じような個人店の居酒屋を紹介してくれた。そこの夫婦はともにがっつりバイトをしているみたいで、料理があからさまに手を抜かれていた。アレンジもしないで解凍して出すだけ、既製品を盛り付けて出すだけという片手間な料理。さらに、アンビリーバブルなウイスキーの値段。サラダなんかも高級料亭なみにバカ高い。駅前というナイスなポジショニングな店なのに残念だ。売り上げが伸び悩むと固定収入に力を入れてしまい、店が疎かになってしまうのだろう。
こういう店にはなりたくないと強く思った。ま~、人の金だからなんでもいーかー。

いーさ!いーさ!

とにかく乾杯してゴイゴイと飲みまくった。バンバン頼んだ。“アンビリーバブルウイスキー”も入れてやった。別にどれも大して美味しくないが、ま~、人の金だからなんでもいーかー。

いーよ!いーよ!

二軒目は、そこのマスター夫婦も呼んで一緒に隣のスナックへ流れた。そこの“爆乳ノリノリママ”に誘導され、またウイスキーを入れて、全員分エロジジイ支払いで飲めや歌えやで飲みまくった。この日のお会計はすべてエロジジイが払って解散。あのエロジジイは確実にぼったくられている。
いーわ!いーわ!

 

 

後編に続く

居酒屋を開業してみた⑥

開業ノウハウ伝授!

呑兵衛のサラリーマンが独立をして、夢の居酒屋経営に奔走する料理ド素人人間のドタバタ奮闘記

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ある日、買い出しをしていると、今までで一番長く働いた会社の元同僚に出くわした。何回か飲みに行ったことのある間柄である。早速、自分の店を始めたことを報告した。


「場所どこ?」
「次、飲み行く場合探してたんだよねー!」
「もう一度連絡先交換しよう!」
「今度行くよ!」


と、ノリノリで話してくれた。その数日後、今度は違う元同僚が仕事中にも関わらず営業時間外にわざわざ店を訪ねてきてくれた。よく二人で飲みに行った仲である。彼が20歳の頃から知っているし、今の奥さんも一緒に遊んだことだってある。本当に頼もしくかわいい後輩である。話は大いに盛り上がり、


「会社から近いから来やすい!」
「飲み放題とかあるの?」
「近いうちに来るよ!」
「みんな連れてくるよ!」


と言ってくれた。あの時の同僚はみんな人間ができていて、本当に心の暖かい人間ばかりであったので、ものすごくテンションが上がった。それからは、いつ来てくれるのかとワクワクしながら営業していた。あの時代の楽しかった出来事や面白かった出来事が湧き出るように思い出し、心がポカポカした。10年近く働いていたので知り合いもたくさんいる。誰を連れてきてくれるのか、あの人が来たらあの話をしようとか、もし一緒に飲めたらどれほど盛り上がるか想像したら、もう頭の中はエンジョイだらけとなった。これでさらにお客さんまで増えたら言うことない。

 

 

そして1ヵ月が過ぎ、ボーナスが出た頃だからそろそろ来るかなーと思い期待に胸を膨らませていた。そしてさらに1ヵ月が過ぎ、また1ヵ月が過ぎ、そして季節もだいぶ変わった頃。

 

 

てか、来ねーじゃねーかー!!
思わせ振りなんかするなよ!!
あの返事はなんだったんだ!!

 

 

色々なことが一気に崩れ落ちていく。
友達はいない。人望も、人徳もない。
社交辞令だけには愛想笑いをしない。
そして社会とも縁を切ることにした。
なにか大きな圧力があるに違いない。
孤独でオッケー。馴れ合いならノー。
誰にも期待はしない、させもしない。
ローンを抱えながらアローンでいる。
昔は昔、未来には昔はいらないのだ。
すねてるわけじゃない。開き直りだ。
でも、次会った時は普通に接しよう。
壊れたわけじゃない。キープなのだ。
そう思える大人になった事が救いだ。
それでも今日も店を開けて待ってる。

 

 

今回のおさらい
●「友達」という定義は諸刃の剣
●あちらにはあちらの事情がある
●旧友のアップデートは慎重に
●心が傷付かない大人になることが先決
●昔の友は今の友ではない
●大人になるという事はこういう事だ
●もう涙でビールが泡だらけ