居酒屋オーナーの呑兵衛ブログ

呑兵衛による開業などの実体験と笑い話

店に集う個性溢れる常連客①後編

 

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居酒屋をやっていると本当に色々なお客さんと出会う。特に一人で来るような人は大体何かある。一人でゆっくり飲みたい人や寂しくて来る人。一番多いのは「話したくて来る人」だ。会話を楽しみに来てくれるのはありがたいことだが、そういった人は大概が変わっていて、なかには風変わりな『変人』がいる。そんな変人と思えるような人を何人か紹介したいと思います。

 

 

 

また別の日に、もう一軒連れて行ってもらったのはライバル店ともいえる近所の居酒屋。親子でやっていて、他に娘くらい若いバイトの女の子が何人かいる。ここのマスターは、バツ2で子供が数人いるらしく、バイトの女の子に手を出して離婚したファンキーなマスターだ。エロジジイはここの女の子たちを「○○(自分の名前)ガールズ」と呼んで溺愛している。回らない寿司に連れて行って機嫌を取る本物のエロジジイだ。それでも淡白な態度しかとられない能天気なエロジジイ。ただの金づるでしかない銀行窓口なエロジジイ。それしか楽しみのない空虚なエロジジイ。


女の人しか興味ないと思っていたら、『お前だったらいい!』という謎の寵愛を受け、その後もよく店に顔を出してくれたり、飲みに連れていってもらった。

 


夏のある日、このエロジジイが「○○ガールズを呼んでバーベキューをやろう!」と言い出した。だから、肉と魚を用意してくれと。昼間からやるから店を休めと。何か作ってこいと。お小遣いくれたから面倒臭いけど仕方なく引き受けた。サーロインやカルビ、ジンギスカンなどの肉を買い、業者からホタテや海老、牡蠣などを取り寄せた。あとは、ポテサラなどさっぱりしたものを作って持参した。現地に着くとエロジジイの同僚も数人来ていた。だが、○○ガールズを含めて誰も知らない人たちの集いに自律神経が崩壊しかけた。ガンガン酒を飲んで、いい肉だけを食べて早く帰ろうと思った。昼間から夕方まで隅で細々と飲んで帰宅した。知らない人と飲んで何が楽しいんだ!そんな簡単に心を開くと思うなよ!段階が必要なんだよ!人が苦手なのに飲食業やってるんだよ!店に来たら少しは話してやってもいいぞ!まいどありー!
次回は嘘をついて欠席しよう。

 


ある日、慢性的な金欠病を打破すべくバイトを始めようと決意した。そこで、ふとある思いが頭をよぎった。「あのエロジジイなら、なんかいい仕事を知っているかもしれない」と。早速、店に来てくれた時に聞いてみた。
『俺の助手として働け!』
エロジジイは月に80万円くらい稼いでいるのだから、バイトとはいえなかなか稼げるかもしれない。すぐにお願いした。パソコンでやる測量士の仕事を少し見せて貰ったことがあるのでイメージした。これならイケる!前からパソコンを使ってする仕事がしたかった。得意分野だ!
浅はかだった。
建築現場に放り出され、アルコールでしか栄養を摂っていない身体で朝から晩まで肉体労働をさせられた。そのあと自分の店も営業をして、心身ともに疲労困憊、満身創痍だった。話が違うじゃねーかーハゲーー!何が助手だー!自分は違う現場に行ってるじゃねーかー!そもそも誰からも好かれてねーじゃねーかー!金をばらまいてご機嫌取りをしているだけじゃねーかー!会社の社長のご機嫌取っただけじゃねーかー!騙しやがってー!このハゲー!!
次の日にバックレた。

 

そして、ハゲの記憶を消した。ツルピカに。
常連客がまた減った。接客業は向いてない。
ビール樽を飲みまくった。カラッポにした。
また支払いが滞った。客とバイトが欲しい。
明日は明日の風が吹く。明日の客はどなた?

 

店に集う個性溢れる常連客①前編


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居酒屋をやっていると本当に色々なお客さんと出会う。特に一人で来るような人は大体何かある。一人でゆっくり飲みたい人や寂しくて来る人。一番多いのは「話したくて来る人」だ。会話を楽しみに来てくれるのはありがたいことだが、そういった人は大概が変わっていて、なかには風変わりな『変人』がいる。そんな変人と思えるような人を何人か紹介したいと思います。

 


ある常連女性の飲み友達ということで来店したオジサン。よく見ると前に若い女性と来たことがあるエロジジイだ!その時の印象が良くなかったのかお互いに警戒心でバチバチだった。だがその後、エロジジイは最初に一緒に来た女性のことが気に入らないということを聞いた。たしかに携帯はずっといじっているし、目の上の人に対して気が利かないし、最後は眠いと言って帰るという始末。よく今まで誰にも注意されてこなかったのかが不思議である。端から見ていても説教したいくらいだ。若いと言っても30後半らしい。なおさら説教だ。前に同じことで後輩に説教したら難しい顔をしていたのを思い出した。何気に言うタイプである。エロジジイと話が合った。一回り以上離れたエロジジイと馬が合った。仲良くなったかもしれない。

 

 

それからは、このエロジジイも一人で来てくれるようになった。その日以来、話しやすくなったので飲みながらよく話した。測量士ともう一つ仕事をしているみたいで、たんまり稼いでいる。じゃんじゃんバリバリ飲ましてもらった。勝手に飲んだ。勝手に食べた。自分で作ってたんまり食べた。
さらに仲良くなったかもしれない。

 


店の休みの日には飲みにも連れて行ってくれ、同じような個人店の居酒屋を紹介してくれた。そこの夫婦はともにがっつりバイトをしているみたいで、料理があからさまに手を抜かれていた。アレンジもしないで解凍して出すだけ、既製品を盛り付けて出すだけという片手間な料理。さらに、アンビリーバブルなウイスキーの値段。サラダなんかも高級料亭なみにバカ高い。駅前というナイスなポジショニングな店なのに残念だ。売り上げが伸び悩むと固定収入に力を入れてしまい、店が疎かになってしまうのだろう。
こういう店にはなりたくないと強く思った。ま~、人の金だからなんでもいーかー。

いーさ!いーさ!

とにかく乾杯してゴイゴイと飲みまくった。バンバン頼んだ。“アンビリーバブルウイスキー”も入れてやった。別にどれも大して美味しくないが、ま~、人の金だからなんでもいーかー。

いーよ!いーよ!

二軒目は、そこのマスター夫婦も呼んで一緒に隣のスナックへ流れた。そこの“爆乳ノリノリママ”に誘導され、またウイスキーを入れて、全員分エロジジイ支払いで飲めや歌えやで飲みまくった。この日のお会計はすべてエロジジイが払って解散。あのエロジジイは確実にぼったくられている。
いーわ!いーわ!

 

 

後編に続く

居酒屋を開業してみた⑥

開業ノウハウ伝授!

呑兵衛のサラリーマンが独立をして、夢の居酒屋経営に奔走する料理ド素人人間のドタバタ奮闘記

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ある日、買い出しをしていると、今までで一番長く働いた会社の元同僚に出くわした。何回か飲みに行ったことのある間柄である。早速、自分の店を始めたことを報告した。


「場所どこ?」
「次、飲み行く場合探してたんだよねー!」
「もう一度連絡先交換しよう!」
「今度行くよ!」


と、ノリノリで話してくれた。その数日後、今度は違う元同僚が仕事中にも関わらず営業時間外にわざわざ店を訪ねてきてくれた。よく二人で飲みに行った仲である。彼が20歳の頃から知っているし、今の奥さんも一緒に遊んだことだってある。本当に頼もしくかわいい後輩である。話は大いに盛り上がり、


「会社から近いから来やすい!」
「飲み放題とかあるの?」
「近いうちに来るよ!」
「みんな連れてくるよ!」


と言ってくれた。あの時の同僚はみんな人間ができていて、本当に心の暖かい人間ばかりであったので、ものすごくテンションが上がった。それからは、いつ来てくれるのかとワクワクしながら営業していた。あの時代の楽しかった出来事や面白かった出来事が湧き出るように思い出し、心がポカポカした。10年近く働いていたので知り合いもたくさんいる。誰を連れてきてくれるのか、あの人が来たらあの話をしようとか、もし一緒に飲めたらどれほど盛り上がるか想像したら、もう頭の中はエンジョイだらけとなった。これでさらにお客さんまで増えたら言うことない。

 

 

そして1ヵ月が過ぎ、ボーナスが出た頃だからそろそろ来るかなーと思い期待に胸を膨らませていた。そしてさらに1ヵ月が過ぎ、また1ヵ月が過ぎ、そして季節もだいぶ変わった頃。

 

 

てか、来ねーじゃねーかー!!
思わせ振りなんかするなよ!!
あの返事はなんだったんだ!!

 

 

色々なことが一気に崩れ落ちていく。
友達はいない。人望も、人徳もない。
社交辞令だけには愛想笑いをしない。
そして社会とも縁を切ることにした。
なにか大きな圧力があるに違いない。
孤独でオッケー。馴れ合いならノー。
誰にも期待はしない、させもしない。
ローンを抱えながらアローンでいる。
昔は昔、未来には昔はいらないのだ。
すねてるわけじゃない。開き直りだ。
でも、次会った時は普通に接しよう。
壊れたわけじゃない。キープなのだ。
そう思える大人になった事が救いだ。
それでも今日も店を開けて待ってる。

 

 

今回のおさらい
●「友達」という定義は諸刃の剣
●あちらにはあちらの事情がある
●旧友のアップデートは慎重に
●心が傷付かない大人になることが先決
●昔の友は今の友ではない
●大人になるという事はこういう事だ
●もう涙でビールが泡だらけ

 

居酒屋を開業してみた⑤

開業ノウハウ伝授!

呑兵衛のサラリーマンが独立をして、夢の居酒屋経営に奔走する料理ド素人人間のドタバタ奮闘記  

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今やデジタルなネット社会で、誰もが携帯電話でハレンチな動画まで調べる時代。その波に乗らない手はないとばかりに、たくさんの検索サイトやグルメサイトに登録した。ある日、一緒に飲ましてくれたお客さんが来店し、サイトごとに定休日がバラバラになっていると指摘されたが、しばらくはそのまま放置プレイをしてパニック症候群にさせてみた。それからは毎回電話で確認してから来てくれるようになった。しばらくして訂正を試みるも、すでにパスワードを忘れてしまい、今もそのままである。
店の看板メニューは「パニック症候群」です。おかわり自由!大盛りもできますよー!

 


こんなテキトーな性格をしながら、実を言うと自称ではあるが「自律神経失調症」と「うつ病」を患っているため、人を含めた動物すべてが苦手である。そんな理由でカウンターを作っていなかったが、「カウンターを設置してくれたら一人でも来る」と数人に言われたので、それではと奮発してイスを3脚も購入(1.2万円也)。カウンターを使えるように片付け、箸や調味料、メニュー表も置いて準備を整えた。
ただ、それから数日経ってもそこに座るのはひと癖もふた癖もある常連ぶる常連客だけで、当の本人たちは未だに現れず。至近距離での接客に苦痛の日々である。
手が滑って包丁が飛ぶぞ。
悪気はない!そう悪意だ!
相づちするのも面倒だぞ。
シカトではない!無視だ!

 


そんな病んでいる心を癒す唯一の方法がある。休みの日に“飲みに行くという習性”“飲んだくれる習慣”をきっちりと遂行すること。それで憂さ晴らしをしている。

自分がよく行く飲み屋は、家族経営で町一番の売り上げを誇る老舗居酒屋。ここには手本となることが散りばめられている。マスターに聞くとなんでも教えてくれて、なんでも盗んでいいと言ってくれたので、正真正銘の正直者はそれを真に受けて根こそぎ盗んだ。ネットでしか売ってない調味料やメニューの書き方・貼り方、営業時間、金にならない客への悪口など、本当にたくさん真似をした。
唯一、どうしてもパクらなかったのは休日。同じ休みにすると飲みに行けないので、それだけは変えた。今も憩いの場として利用しているが、そこで前の店の常連客に度々遭遇するので、見境なく「自分の店へ来店を促す商法」で、今も飯を食べている。
次は、「会いにいけるマスター」を目指して握手会を開こうと思っている。

 

 

 

今回のおさらい
Googleの星5評価は自分というのは秘密
●店の定休日は早めに決めよう
●カウンターに座るクセ者は無視
●手が滑っても包丁は飛ばすな
●お手本になる店は足しげく通え
●壁に貼るメニューの紙は黄色がGood
●お気に入りの調味料を見つけよう
●他店で来店を促す商法は効果的

居酒屋を開業してみた④

開業ノウハウ伝授!

呑兵衛のサラリーマンが独立をして、夢の居酒屋経営に奔走する料理ド素人人間のドタバタ奮闘記

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そして、ついにその日が来た。
ようやく迎えたオープンの日。
ついに夢が叶うその日が来た。
ついにトップに立つ日が来た。
ついに祝杯をあげる時が来た。
ついにニートから卒業できる。


予行練習を兼ねて大型連休の前に始めたのが功を奏し、平日は辛うじて一組来るか来ないかの出だしだった。それでも、どこから聞き付けたのか前の店のお客さんが駆け付けてくれて「感謝カンゲキ雨嵐」。お祝いと言って高い酒を入れてくれ、好きな酒を飲ましてくれ、キャバ嬢風に一緒に飲んで味をしめ、お釣りはいらないという言葉にも味をしめた。
タダで酒を飲んで儲かるなんて。フフッ
これだから商売はやめられない。フフッ
これは悪い顔にもなるでしょう。フフッ
悪代官の役がくるかもしれない。フフッ

 

 

大型連休に突入すると、どうやって見付けたのか連日そこそこのお客さんが来店。慣れないシチュエーションでの疲れとお客さんが来てくれる喜びが入り交じったのも束の間、なぜか厨房の床が水浸し!!下を覗いたら、もう池だ!いや、海だ!太平洋だ!それでも翌日もお客さんは来る。皿を洗えば、また水浸し。そして次の日、遠投には自信があるので、投げやりに店を投げ出して、いつものように居酒屋に駆け込み派手に飲み明かしたとさ。めでたし、めでたし。

 

 

翌日、業者に来てもらい処置をしてもらったが、その日もまた駄々漏れ。機密情報くらい駄々漏れ。客席の方まで浸透し、怒り心頭、活火山!


噴火警戒レベルマックス!!


すぐに来てもらったが、ぶつぶつ言って首をかしげて慌ててるだけ・・・。粘土みたいなものをくっ付けてるだけ・・・。原因を突き止めろ、原因を!そして水を止めろ、水を!
ポンコツのあなたは「クビ」です。
仕事探しは「インディード」です。
前任者にメンチをきって左遷したところで、今度は違う業者にお願いした。すると水道管に数十年分のヘドロが溜まっていて流れていかないとのこと。それを全部取り除いてもらい、お会計は十数万円!強制的に全額を大家になすり付けて解決。以降、顔を出す回数が露骨に減った。これもアンタの責任だろが!何年も放っておくからだろ!土踏まずで踏みつけるぞ!中国語でなんて言うんだ!シェイシェイ!違う!パンニハムハサムニダ!これだ!

 


大型連休も終わると予想通り緩やかに客足は落ちたきたので、ここで思いきって地方新聞に広告を載せてみた(5.5万円也)。1ヵ月で3回載せたが、効果はまったくと言っていいほどなかった。抽選で3名に当たる「三千円割引券」も採用してみたが、たった1組しか来ないという奇跡を起こした。
地球の人口って何人だっけ?
宇宙人に連れ去られたのか?
この町には誰もいないみたいだ。

 


それでも夏は予想以上に稼げたものの、それでもまだ到底足りず、何度計算しても収支が合わないため、算数ドリルを買うところから始めてみた。前年がサラリーマンだったので、会社が払ってくれていた税金まで払わなければいけない。このままでは税金に殺されると思い、他の銀行からさらに追加で博打の借金50万円入りまーーす!


翌月になるとお客さんから「こんな暑い店だと誰も来ないよ」と言われ、次の日に大部屋用のエアコンを購入して30万円出まーーす!その後、そのお客さんは見ていない。キープのボトルはもうとっくに飲み干したやった。次は水しか出さない。もちろん冬でも冷房MAXにしてあげます。

 

 

このままでは崖から飛び降りるか縄で首をくくるしかなくなりそうだが、どちらも痛そうなのでパスしたい。そこで今度は、自作のチラシを作ってバラまくことにした。一目で脳裏に焼き付くようなポップなものでなくてはならない。いろいろ調べた結果、こういった感じがベストという結果にたどり着いた。

   ○○○へ
   タイトル
   目玉商品やオススメなど4つほど
   店の紹介と地図


あとは、手書きで親近感と不器用さを醸し出し、わざと丸文字で書いてカワイイ娘がいると勘違いさせ、キャッチーな言葉でディープなインパクトを与える作戦だ。

名付けて・・・
ディープインパクト作戦!」

ヒヒーン! 

 

早速、近所に出掛けたが、初めての「チラシ配り」なのでマンションやアパートはまだ気を遣わないのだが、一軒家はポストまでが遠いポストの開け方が分からないことが多くドキドキビクビク。結局、マンションやチラシを入れやすい家だけに200枚ほど配ってそそくさと帰宅。しかし、これが思いのほか効果があり、馬面をしたサラブレッド,,,,ではなく、チラシを見たというお客さんが来るようになった。どこぞの新聞よりずいぶんと費用対効果がいい。


作戦大成功!パオーン!

 

 

 

今回のおさらい

●タダ酒飲ましてくれたら死んでも飲め!
●水漏れしたら派手に飲みに行け
ポンコツインディードへ左遷すべし
●たまに町から人が消える時がある
●お客さんに使うものはケチらない
●税金が厳しければ役場へ悩み相談
●まずはフリーペーパーより自作チラシ
●自作チラシは手書きでシンプルに

 

居酒屋を開業してみた③

開業ノウハウ伝授!

呑兵衛のサラリーマンが独立をして、夢の居酒屋経営に奔走する料理ド素人人間のドタバタ奮闘記

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住居付き店舗に移り、新しい生活スタイルへと変わり、いよいよ残り1ヵ月を切った。ここからどんどん追い込んでいかなければならない。

 


次は保健所に書類を持って行って申請だ。
確認、確認、ほ~ら一枚足りない!
探す、探す、ほ~ら見つからない!
もちろん調理師免許とかは持ってないので「食品衛生責任者」が必要なのだが、どこにもない!

※収容人数が30人未満なら食品衛生責任者だけで営業は可能だが、30人を超える場合は「防火管理者」の資格が必要となってくる。


ネットで調べた結果、再発行するには取得した場所まで行かないといけないらしい。
片道2時間半。すぐに出発した。
紙一枚2分半。すぐ発行された。
(後日、実家から発見される)
旅行レベルのドライブだったのにも関わらず、時間も遅くなったのでどこにも寄らず、何も食べずに帰路へ。無駄足とは、正にこのことだ。イカみたいに足が10本あればいいと思ったのは、この日だけだ。帰りに初めてコストコに寄ってみたが、あんなに大きな店構えでも一番の掘り出し物はホットドッグ。次回で解約だ。

 


あとは、メニューを完成させるだけだ。

※居酒屋で客単価を考える時、その店のメニューで一番多い単価の6倍と言われている。焼鳥屋の場合は、一本の価格の20倍と言われている。
 例)500円台のメニューが多い
   →500 × 6 = 3000円
 例)一本あたり平均160円
   →160 × 20 = 3200円


場所が悪いので価格帯を安めに設定して2500~2700円で考えている。ただ、サイドメニューの数は50種類を目標に設定した。味のバリエーションを増やしたり、食材のロスを減らすために一つの食材で最低3つのメニューを心掛けている。そのためにいろんな所へ飲みに行き、いろんなものを作って試した。看板商品はすでに決まっている。今までの経験を活かして「唐揚げ」と「焼鳥」を選んだ。唐揚げは、これまでに働いた店の味をいいとこ取りした味だ。パクりだ。飲み屋に行って盗めるものは何でも盗んだ。パクりだ。結局、美味しければそれでいいのだ。無実だ。焼鳥は、何を隠そうYouTubeに先生がいる。もちろん名前も知らなければ、会ったこともない。それでも師匠である。見よう見まねの焼鳥は、鶏肉のランクを上げて絶品に仕上がった。お礼はチャンネル登録正直に打ち明けることで筋を通した。

 


念願のオープンまで1ヵ月を切っている。
すでに自分の店の看板となり、気色悪い花柄の床も和風のナイスな柄になった。レジも音楽も厨房機器も導入され、電気水道ガスも通した。
が、しかし、ここで問題が発生!
置き去りのガスコンロの火が点かない!
なんでも業者が言うには、「もう壊れているから使わない方がいい」と言うのだ。急遽、ガスコンロとそれを置く台まで購入(7万円也)。予算はオーバーにオーバーを重ね、やけ酒の対象となった。

 


またある日には、店の印鑑を頼んでおいたのにも関わらず待てど暮らせど連絡がこないので、店に出向いて問いただしたところ、店員があからさまに慌てていた。最終的には「お持ち致します」とは言っていたもののオープンには間に合わないということで、やけ酒の対象となった。

 


ユニフォームは、看板を依頼した業者から紹介してもらって、店名のデータを手に、すぐに向かった。「襟付き・ポケット付き・重ね着風ポロシャツ」は阪神タイガースカラーで決まった。帽子はファンキーな色も含めて5色、エプロンは腰に巻くスタイルにしたので自慢のポロシャツをバッチリ引き立てている。
ある日、看板業者と床の張り替え業者を紹介してくれた年上の友達と飲んでいた時に、ユニフォームも発注したと報告したら、「先に言ってよ!私が紹介したのに!」と怒られてしまった。
「報・連・相」と「ほうれん草」を履き違えていたみたいだ。
ユニフォームは枚数が多いほど1枚あたりが安くなるということだったので、ユニフォームと帽子とエプロンをそれぞれ10枚ずつ頼んだ(8万円也)。そして待ちに待ったユニフォームが届いた。テンション爆上がりのトランス状態になった。すぐに試着して、その場でトリプルアクセルを決めて、すぐに祝杯をあげた。「いらっしゃいませ~!」の発声練習では、いい声が出た。

 


色々と揃い始め銀行から受けた融資が順調に減っていくなか、いよいよオープンの日が近付いてきた。
まずはカッコつけてプレオープンとして親族を呼んでみた。お金を貰わないということはコース料理ということだと理解していると思ったら、途中からあれやこれやと頼む始末。洗い物が山積みになり、嫌気がさしてやけ酒となったのは言うまでもない。翌日、今度は友人たちを呼んでみた。前日の嫌気から金を巻き上げることにしたオーナー。途中からみんなに混ざって酒を飲むオーナー。誰からもオーナーと呼ばれないオーナー。オーダーをオーナーと聞き間違えるオーナー。まだ慣れていない。


オープンまでのタイムリミットが迫っている。
無職のフリーターは、まだ酒を並べていない。

 

 

 

今回のおさらい
コストコではホットドッグが必須
●客単価の設定は現実と理想を加味して熟考
YouTubeにも先生はいる
●知り合いの知り合いに業者がいるかも
●ユニフォームはそんなに数はいらない
●プレオープンに手ぶらで来る人間がいる

 

居酒屋を開業してみた②

開業ノウハウ伝授!
呑兵衛のサラリーマンが独立をして、夢の居酒屋経営に奔走する料理ド素人人間のドタバタ奮闘記

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物件選びは、そんなに難しくなかった。条件は、家賃以外で言えば「居抜きであること」「住居付きであること」くらい。 

 ※居抜き物件とは、設備がそのまま残っている物件のこと。初期費用が抑えられ、早くオープンができるメリットがある。


“ポリシーは、仕事中から飲むこと”
“モットーは、飲んだら飲まれろ!”


住居付きだけは譲れない。住居付きであれば帰りの心配がいらないし、ガソリン代も掛からない。居抜き物件であればお金を最小限に抑えられる。
条件に合う物件が一つ見つかった。
問題は、店の場所(最寄り駅から徒歩30分)とボロさと、大家が中国人であるために会話が聞き取れないこと。場所は「隠れ家風」にして乗り切り、ボロさは一部だけでも工事すればなんとか乗り切れるはず。大家との会話は、とりあえず諦めた。ただ、良いこともあった。即戦力として使えるボロボロの冷蔵庫と、とてつもなく思いテーブルなど設備以外にもたくさん置き土産があったこと。あんまり重いものを乗せると棚が外れる冷蔵庫。4人掛けにも関わらず、二人で持ってもかなり重いテーブル。
家賃は15万円。駐車場5台分付き。

よし、ここで決まりだ!

社長にそろそろ言った方がいい。

 


次は、大金が必要な厨房機器や調理器具。
予算を銀行員と先に決めていたので、厨房機器は案外スムーズにきまった。だが、調理器具が困難を極めた。自分の理想と値段との狭間で、恋愛のように揺れに揺れた。「恋愛とは・・・」、これはまたの機会にしよう。見積書の提出期限もあって、結局、最後の方は予算に近付けるために適当に選んで提出。ありとあらゆる店をハシゴしてヘトヘトのヘトヘトになり、その日はそれでも予定していた飲み会へ行き、大いに盛り上がってハシゴして帰宅。飲めば回復する体質は、こういう時こそ助かる。

 


数日後、銀行員の口から衝撃的な言葉を聞いた。


「見積書通りに買ってください」


なにーーー!!融通きかんなーーー!!
こんなに鍋とフライパンいらんだろー!
こんな高級なミキサーどう使うんだー!
何人来ればこの炊飯器必要になるんだ!
もうすでに持ってるものまであるぞー!
(数ヶ月後に売りさばくことになる)


それでもなんとか一通り見積書を集めて提出し、あとは審査を待つのみとなった。早く身の回りの小物や大物やナマケモノを買いたい。必要なものだけを買いたい。
そんな欲求と待望が渦巻く頭の中を酒で紛らわしていた。

 

 

そして、

ついに、330万円ゲット!!!

3,300,000円だよ!三百三十万円!!
酒池肉林の豪遊が頭の中をよぎる。ダメだ。
そういうお金ではない。
いよいよオープンまであと1ヵ月。
あと、1ヵ月しかない。
もう、1ヵ月しかない。
決断に決断を重ねていかなければならない。
社長は悲しい顔をして聞いていた。
社長は強がっているように見えた。

 


こうなったらノンストップバナナマンだ。まずは引っ越しをして現地でイメージを膨らませるのが一番の近道であると考え、予定を早めてレッツ行動。メタルラックのおかげでルパン三世のように身体を小さくしたり、斜めにしたりして運転をしながら、二日掛けて自家用車で荷物を運んだ。いらない布団はノコギリでバラバラ殺人事件に、いらない家具はゴミ山にパンクなミュージシャンみたいに放り投げてきた。広い住まいになったのはいいものの、春なのに寒さが尋常ではなく、外の方が断然暖かいという別世界。新居はトイレも風呂もボロボロ。新しい船出はイカダのようだ。

 

 

 


今回のおさらい
●物件は居抜き優先のススメ
●融資金額は多めに申請してゆとりを
●調理器具は100均スタートで充分
●高額なもの以外は自己資金で捻出
●大家は中国人より日本人がいい
●欠かせないのは音楽とおしぼり
●前社長に話すと悲しい顔をされる